令和5年1月の経営事項審査改正:建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況

令和5年1月に、経営事項審査の基準が一部改正されました。今回は、この変更点を紹介します。

建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況

建設キャリアアップシステム(CCUS)へ登録し、これを活用していることを示すことでW点の加点対象となります。
この変更は、審査基準日が令和5年8月14日以降のものに対して反映されます。

審査対象の工事

審査の対象は、以下の①~③を除く審査基準日以前1年以内に発注者から直接請け負った建設工事です。

  • ①日本国内以外の工事
  • ② 建設業法施行令で定める軽微な工事
  • ③ 災害応急工事

該当措置

以下の①~③を全て実施している場合に加点されます。

  • ① 建設キャリアアップシステム(CCUS)上での現場・契約情報の登録
  • ② 建設工事に従事する者が直接入力によらない方法(※)で建設キャリアアップシステム(CCUS)上に就業履歴を蓄積できる体制の整備
  • ③ 経営事項審査申請時に様式第6号に掲げる誓約書の提出

※直接入力によらない方法
就業履歴データ登録標準API連携認定システムにより、入退場履歴を記録できる措置を実施していること等の方法

加点要件

加点要件評点
審査対象工事のうち、民間工事を含む全ての建設工事で該当措置を実施した場合 15
審査対象工事のうち、全ての公共工事で該当措置を実施した場合10

※ただし、審査基準日以前1年のうちに、審査対象工事を1件も発注者から直接請け負っていない場合には、加点しない

審査項目が追加された後に変わること

計算式が変更されることに伴い、審査項目追加後はこの項目の加点がない場合は評点Wがこれまでより下がります。これにより総合評点Pもダウンします。

審査基準日:令和5年8月13日以前の計算式

評点W = ( 担い手の育成及び確保に関する取組の状況(W1) + 営業継続点数(W2) + 防災協定点数(W3) + 法令遵守点数(W4) + 建設業経理点数(W5) + 研究開発点数(W6) + 建設機械保有点数(W7) + 国又は国際標準化機構が定めた規格による登録状況(W8)) × (1,900 / 200)

審査基準日:令和5年8月14日以降の計算式

評点W = ( 担い手の育成及び確保に関する取組の状況(W1) + 営業継続点数(W2)  + 防災協定点数(W3) + 法令遵守点数(W4) + 建設業経理点数(W5) + 研究開発点数(W6) + 建設機械保有点数(W7) + 国又は国際標準化機構が定めた規格による登録状況(W8)) × (1,750 / 200)

変更点まとめ

式としての変更点 その他評点W算出時の係数が(1,750/200)に変更されるため、建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置についての加点がない場合は、評点が下がります。ご注意ください。