【令和8年7月改正】経審(経営事項審査)はどう変わる?W点(社会性等)の変更点をプロが解説

令和8年(2026年)7月1日より、公共工事の入札に参加するための必須要件である「経営事項審査(経審)」の審査基準が改正されます。
今回の改正で大きく変わるのは、会社の取り組み次第で点数をコントロールしやすい「W点(その他社会性等)」の項目です。

「まだ先の話だろう」と思うかもしれませんが、経審は「直前の決算」の実績が審査される制度です。施行されてから慌てて対策を始めても、点数に反映されるのは翌年以降となり、ライバル会社に大きく差をつけられてしまいます。

ここでは、今回の経審改正の「3つの大きなポイント」と、点数を伸ばすために今すべきことを解説します。

改正のポイント①:社会保険未加入の「減点項目」が削除

これまでの経審では、雇用保険・健康保険・厚生年金保険に未加入の場合、各マイナス40点という厳しい減点項目がありました。これが今回の改正で審査項目から完全に削除されます

しかし、注意してください。これは決して「社会保険に入らなくてもよくなった(規制緩和された)」わけではありません。

2020年の法改正により、社会保険への加入は「建設業許可の絶対条件」に格上げされました。つまり、社会保険に入っていない業者は、経審の点数を引かれる以前に「建設業許可自体を維持できない(=経審を受ける土俵にすら上がれない)」ため、わざわざ減点項目として残す意味がなくなったというのが本当の理由です 。

改正のポイント②:新設!「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」で加点

これからの経審で高く評価されるのは、社会保険に加入していることを大前提とした上で、「職人さん(技能者)の処遇をいかに良くしているか」という点です 。

今回の改正では、新たに「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」への取り組みが評価され、宣言を行って誓約書を提出した企業には「5点」が加点されます 。

あわせて、建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した「就業履歴の蓄積」に関する配点バランスも見直されます 。国は、CCUSの運用とこの自主宣言を両輪として、「現場で働く人を大切にし、担い手を育成する企業」を強力に後押ししようとしています

改正のポイント③:加点対象となる「建設機械」の追加

地域の守り手としての災害対応力を評価する「建設機械の保有状況(W7)」についても、加点対象が拡大されます

これまでのショベル系掘削機やブルドーザー、移動式クレーンなどの9機種に加え、今回の改正から以下の2機種が新たに評価の対象となります

  • 不整地運搬車(土砂の運搬等)
  • アスファルト・フィニッシャ(道路舗装)

これらの機械を自社で所有している、あるいは1年7ヶ月以上のリース契約を結んでいる場合は、最大15点の範囲内で点数アップに直結します 。該当する機械をお持ちの企業は、特定自主検査の記録などをしっかりと管理しておきましょう

結び:ルール変更は、ライバルを出し抜く最大のチャンス

制度やルールの変更と聞くと、「また面倒な手続きが増えるのか」と感じるかもしれません。しかし、視点を変えれば、いち早く情報をキャッチして対策を打った企業にとっては、地域のランク(格付け)を上げる「下剋上のチャンス」でもあります。

特に新たに加点対象となる「自主宣言制度」や、配点が見直される「CCUSの運用実態」などは、一朝一夕で準備できるものではありません。次回の決算期を見据えて、今すぐ社内体制次回の決算期を見据えて、今から社内体制を整えていく必要があります。

当事務所では、経審の改正内容を先読みし、社長の会社の点数を最大化するためのシミュレーションから戦略立案まで、全力で伴走いたします。本気で経審に取り組みたいとお考えの方は、ぜひお早めに当事務所へご相談ください。