なぜ私たちは「許可」というルールの中にいるのか

皆さま、こんにちは。西宮を拠点に活動しております行政書士の柴原です。

建設業を営む上で避けて通れない「建設業許可」。日々の現場に追われていると、それは単なる「事務的な手続き」や「通行証」のように感じられるかもしれません。

しかし、建設業法には、この手続きの真の目的が記されています。今回は、私たちがなぜこのルールを守る必要があるのか、その原点と「未来への投資」としての意義についてお話しします。

1. 建設業法が定める「三つの柱」

建設業法第1条には、大きく分けて三つの目的が掲げられています。

  • 建設業を営む者の資質の向上:技術や経営能力を公的に担保すること。
  • 建設工事の請負契約の適正化:対等で公正な取引を維持すること。
  • 建設業の健全な発達:これらを通じて業界全体が正しく成長すること。

これらが徹底されることで、最終的に「公共の福祉の増進」つまり人々の命と暮らしを守るインフラが安全に保たれる、という大きなゴールに繋がっています。

2. 「目先の利益」か「将来の利益」か

ここで私が一番お伝えしたいのは、この法律を守ることは決して「縛られること」ではない、ということです。

現場を回していると、目先の利益を優先して「面倒な事務は後回しにしたい」「少しでも安く済ませたい」という誘惑に駆られることもあるかもしれません。しかし、これまで多くの経営者の隣で伴走してきた経験から、私は確信していることがあります。

「目先の利益だけでなく、将来を見据えて正しく行動することが、最終的に最も大きな利益(信頼)に繋がる」ということです。

3. 「許可要件」が求める真の姿

建設業許可の要件には、経営体制や技術力と並んで「誠実性(誠実さ)」が求められています。これは、請負契約に関して「不正」や「不誠実な行為」をするおそれがないことを求めるものです。

なぜ、技術やお金の話だけでなく、このような内面的な姿勢まで求められるのでしょうか。それは、冒頭の法目的にある通り、建設業が「公共の福祉」に直結する仕事だからです。

不誠実な行為は、発注者の利益を損なうだけでなく、真面目に取り組む他の業者の居場所を奪い、業界全体の信用を失墜させます。許可を維持し続けるということは、行政から「この経営者は誠実である」という裏付けを更新し続けることであり、それこそが信頼経営の土台となります。

まとめ:誇りを持って「ルール」を味方につける

「誠実性(誠実さ)」という言葉。これは単に悪いことをしないという意味ではなく、仕事に対して、そして社会に対して真摯であることの証明です。

建設業許可というルールの中に身を置き、自らを律していくことは、経営者が築き上げてきた技術と実績を「誰からも疑われない価値」へと昇華させる作業なのです。


私の想い:パートナーとして、皆様の「覚悟」を形にする

私は、経営者が日々現場で戦い、孤独な決断を積み重ねている姿を誰よりも尊敬しています。だからこそ、私の役割は単なる書類の代書屋で終わるつもりはありません。

経営者が大切にされている「誠実な仕事」が、法的な裏付けを持って正当に評価されるよう、そして「将来の大きな利益」へと繋がるよう、実務の面から全力で盾となります。

「今はまだ小さいけれど、将来はもっと会社を大きくしたい」「次の代に胸を張って引き継ぎたい」。そんな熱い想いを持つ経営者と、対等なパートナーとして共に歩んでいけることを誇りに思っています。