建設業許可があれば何でもできる?「+α」で必要になる作業資格の落とし穴
「建設業許可の看板も掲げたし、これで大きな工事も堂々と請け負える!」 そう意気込む経営者様こそ注意が必要なのが、「建設業法以外のルール」です。建設業許可はあくまで「一定規模以上の請負契約を結ぶためのパスポート」に過ぎず、現場での具体的な作業については、別の法律によってライセンスが厳格に定められているケースが多々あります。
いわば「建設業許可」と「作業資格」の二重のハードルがあるケースです。特に注意すべき2つの代表例を見ていきましょう。
1. 「電気工事業」の落とし穴
電気工事の建設業許可を持っていても、それだけで一般用電気工作物などの工事ができるわけではありません。
- 「電気工事業登録」が必須: 建設業許可とは別に、都道府県知事に対して電気工事業の「登録」をしなければなりません。
- 「電気工事士」の資格: 実際の作業は、第一種・第二種電気工事士の免状を持った者でなければ行えません。
「許可があるから会社としてはOK」と思っていても、この二重の手続き(登録・届出)を忘れていると、電気工事士法違反となってしまいます。
2. 「消防施設工事業」の落とし穴
スプリンクラーや火災報知器などの設置を行う建設業許可(消防施設工事業)も、それ単体では不十分です。
- 「消防設備士」の独占業務: 消防法により、消防用設備の設置工事や点検・整備は、国家資格である「消防設備士」の免状を持つ者のみが行えると定められています。
- 「甲種」と「乙種」: 工事を行うには「甲種」の資格が必要です。「許可はあるが、作業員の中に該当する種類の甲種免状保持者がいない」という状態での施工は許されません。
3. その他、現場で必要になる主なライセンス
建設業許可に加えて、事業の形態に合わせて以下のようなライセンスも必要になります。
- 産業廃棄物収集運搬業許可:産業廃棄物の収集・運搬を委託され、事業として行う場合には、廃棄物処理法に基づく許可が必要です。
- 労働安全衛生法(技能講習・特別教育): 高所作業車、玉掛け、酸欠作業など、現場の安全を支える資格も、建設業許可とは別に管理を徹底しなければならない「現場のライセンス」です。
4. まとめ:プロの視点で「コンプラの穴」を塞ぐ
建設業法を守ることはもちろん大切ですが、現場を動かすには「関連法規のクロスチェック」が欠かせません。
「この工事、許可以外に何か届け出がいるかな?」「この作業員にこの仕事をさせて大丈夫かな?」と迷った際は、行政書士などの専門家にご相談ください。 単なる書類作成だけでなく、貴社の事業内容に照らして「+αで何が必要か」を網羅的にアドバイスすることで、予期せぬ行政処分や現場停止のリスクから会社を守ります。


