専任技術者の「実務経験」と「学歴」の組み合わせ。指定学科の判断で迷った時の対処法。
西宮で建設業を営む皆さま、こんにちは。「西宮の建設業を、日本で一番熱い業界に。」しばはら行政書士事務所の柴原重太です。
先日のコラムでは、資格がない場合の「実務経験10年」による証明の厳しさについてお話ししました。しかし、もし社長や従業員の方が、高校や大学で「指定学科」を卒業されていた場合、その10年という長い期間を大幅に短縮できる可能性があります。
今回は、意外と知られていない「学歴による期間短縮」と、その判断の難しさについて解説します。
目次
「実務経験10年間」をショートカットできる強力な選択肢
資格を持っていなくても、卒業した学科が建設業法で定められた「指定学科」に該当すれば、必要な実務経験期間は以下のように短縮されます。
- 大学・短大・高専卒:実務経験 3年間以上
- 高等学校卒:実務経験 5年間以上
「10年間」が「3年間」や「5年間」になるメリットは計り知れません。しかし、ここで多くの方が突き当たる壁が、「自分が卒業した学科は、本当に『指定学科』に該当するのか?」という判断の難しさです。
「学科名」が違っても、あきらめるのはまだ早い
国土交通省の「指定学科一覧」には、土木工学、建築学、電気工学といった名称が並んでいます。しかし、実際の卒業証書に書かれた学科名がこれらと完全一致しないケースは多々あります。
例えば「建築学」が指定学科の場合、「建築工学科」や「建築設備工学科」も認められる可能性があります。
近年の大学では、時代の流れに合わせて「都市環境デザイン」「システムマネジメント」といった多角的な学科名が増えています。一見、指定学科には見えなくても、かつての「土木」や「建築」の課程を承継している場合は、認められるケースがあるのです。
重要となるのは「何という学科か」より「何を学んだか」
学科名だけでは判断がつかない場合、重要になるのが「成績証明書」による単位の精査です。
学科の名称が指定学科と異なっていても、その学科で履修した科目の内容が、指定学科で学ぶべき内容と実質的に同じであると認められれば、学歴としてカウントできます。
- 土木や建築に関する専門科目の単位を、一定数以上取得しているか。
- 講義内容(シラバス)を確認し、専門性を裏付けられるか。
ここは、過去の通達や審査窓口(兵庫県)の個別判断が絡む、非常に専門的な領域です。
判断に迷った時の具体的な対処法
「自分の学歴が使えるかもしれない」と思ったら、以下のステップで進めるのが確実です。
1.「成績証明書」を母校から取り寄せる
卒業証書だけでなく、どの科目を履修したかを公的に証明する書類が必要です。
2.「読み替え」の可能性を探る
専門科目の単位数を精査し、指定学科に準ずる内容かどうかを分析します。
3.審査窓口への事前照会
自己判断で申請するのではなく、事前に資料を揃えて「この履修内容で認められるか」を公式に確認します。
最短ルートを見極める
「10年必要」と言われていたケースでも、卒業学科の履修科目を精査した結果、実は「3年で足りた」という逆転劇も起こりえます。
逆に、安易に「いけるだろう」と判断して申請し、後から認められずに計画が頓挫してしまうのは、経営にとって大きなリスクです。
社長がこれまで歩んできた「学び」と「経験」を掛け合わせ、御社にとって最も負担の少ない申請ルートを一緒に見つけるのが、私の役割です。
まとめ
指定学科の判定は、建設業許可における「知恵の出しどころ」の一つです。
「自分の学科はどうかな?」 「昔の学科名だから、今はもう対象外かな?」
と少しでも迷われたら、まずは卒業証書や成績証明書を手に、お気軽にご相談ください。社長の過去の努力を、許可という形にするお手伝いをさせていただきます!


