許可通知書が届く前に「契約」していいのか?兵庫県の標準処理期間「知事許可45日」の数え方と注意点。

西宮で建設業を営む皆さま、こんにちは。「西宮の建設業を、日本で一番熱い業界に。」しばはら行政書士事務所の柴原重太です。

「昨日、土木事務所で申請が受理された。受理印ももらったから、これで週明けに500万円以上の工事の契約を結んでも大丈夫だよね?」

社長からこのようなご相談をいただくことがあります。早く大きな仕事を受けたい、元請けの期待に応えたいという焦るお気持ちは痛いほど分かります。しかし、行政書士としての答えは、「許可通知書が届くまでは、絶対に待ってください」です。

今回は、知っているようで知らない兵庫県の「標準処理期間」の正体と、先走って契約を結ぶことに潜む重大なリスクについてお話しします。


1. 「受理」は「許可」の証明ではない

まず誤解を解いておかなければならないのは、土木事務所の窓口で申請書が「受理」された段階では、まだその会社は法的には「無許可業者」であるということです。

窓口で押される受領印は、あくまで「書類を受け付けました」という合図に過ぎません。兵庫県知事の名前で「許可通知書」が発行され、そこに記載された「許可の有効期間の開始日」以降、建設業許可業者としての活動が可能になります。

2. 兵庫県知事許可「標準処理期間45日」の正しい数え方

兵庫県の発行する「建設業許可申請・届出の手引き」には、知事許可の標準処理期間は「45日」と記載されています。しかし、この数字をそのまま「1ヶ月半」と捉えてはいけません。

土日・祝日を含まない「行政の稼働日」

この45日には、土日、祝日、そして年末年始などの行政機関の休みは含まれません。カレンダー上の日数で計算すると、スムーズに審査が進んだとしても実質的に2ヶ月近くかかるのが一般的です。

「補正」が入ればカウントは止まる

もし書類の不備が見つかり「補正」を求められた場合、その対応に要した期間は45日の中にカウントされません。つまり、不備があればあるほど、実際の許可日は後ろへズレ込んでいくことになります。

3. 通知を待たずに契約を結ぶことによる経営リスク

「申請中だから大丈夫だろう」という安易な判断が、会社と社長の未来を損なってしまう可能性があります。

① 「無許可営業」として行政処分の対象に

許可日の1日前にでも「500万円以上(建築一式は1,500万円以上等)」の工事契約を結べば、それは無許可営業にあたります。最悪の場合、せっかく取れた許可が即座に取り消され、その後5年間は許可を再取得できない「欠格期間」という極めて重い罰を受けるリスクがあります。

② コンプライアンス上の懸念と信用問題

近年、コンプライアンス(法令遵守)を重視する企業は急増しています。契約日と許可日の整合性が取れていないことが後日判明した場合、法令遵守の姿勢を疑われ、対外的な信用を損なうことになりかねません。

③ 「不許可」になった場合の法的トラブル

受理されたからといって、100%許可が出る保証はありません。万が一、審査の結果「不許可」となった場合、すでに結んだ契約は「無許可状態」での履行不能となり、相手方から損害賠償を請求されるなどの法的トラブルに発展する恐れがあります。

4. 10年先の「看板」を守るためのスケジュール戦略

こうしたリスクを避けるためには、「工期から逆算した」スケジュール管理が不可欠です。

兵庫県の場合、審査に実質2ヶ月かかることを想定し、さらに書類収集や作成の期間(約1ヶ月)を含めると、契約予定日の少なくとも3ヶ月前には動き出すのが、プロとして推奨する安全なスケジュールです。

郵送等で許可通知書が届いたら、まずは「発送日」ではなく、通知書の中身にある「許可の有効期間」の開始日を必ず確認してください。その日付から、貴社は法的に認められた「建設業許可業者」としての第一歩を踏み出すことができます。


まとめ:正当な手続きが、会社を一番熱くする

「西宮の建設業を、日本で一番熱い業界に。」

そのためには、焦ってルールを逸脱するのではなく、確かな法務手続きの上に事業を築くことが大切です。

しばはら行政書士事務所では、単に書類を出すだけでなく、社長の事業計画から逆算し、いつ動き出し、いつ契約を結ぶべきかという「安全な申請タイミング」を共に考えます。安心して、会社が西宮の街を支え続けられるよう、確実な一歩をサポートいたします。