「10年証明」の壁に挑むか、資格でショートカットするか 〜建設業許可・専任技術者のリアル〜

西宮で建設業を営む皆さま、こんにちは。「西宮の建設業を、日本で一番熱い業界に。」しばはら行政書士事務所の柴原重太です。

建設業許可を取得する際、大きなハードルとなるのが「専任技術者」の要件です。資格がない場合、「実務経験10年」で証明するという道がありますが、これは決して「10年間現場に出ていれば自動的に取れる」という簡単なものではありません。

今回は、実務の最前線で感じる「10年証明」のリアルと、資格取得という選択肢についてお話しします。

兵庫県での「10年証明」の現実

「10年やってるから大丈夫」とおっしゃる社長は多いですが、いざ申請準備に入ると、その「証明」の重さに驚かれます。

兵庫県の場合、社会保険加入の証明や確定申告書の控え、さらにそれらに対応する工事の契約書・注文書などを揃えなければなりません。10年という長い期間の工事実績を、客観的な資料で漏れなく証明し続ける作業は、日々の現場を切り盛りする経営者にとって大きな事務負担となります。

当事務所では、窓口での補正(差し戻し)で貴重な時間をロスしないよう、事前に徹底して資料を精査・準備しますが、その「元となる資料」を過去に遡って掘り起こす作業には、どうしても社長ご自身の協力が不可欠なのです。

「10年という歳月」と「資格取得」を天秤にかける

ここで一度、考えてみていただきたいことがあります。それは、書類を整理する手間のことだけではありません。「あと何年、実務経験を積み上げる必要があるか」という時間の価値です。

例えば、今実務経験が6年目の方が、あと4年間積み上げて10年に到達するのを待つのか。それとも、数ヶ月集中して勉強し、施工管理技士などの試験に合格して一気に要件を満たすのか。

経営におけるスピード感を考えたとき、資格取得は単なる試験合格ではなく、事業拡大のための「時間を買う行為」と言えるのではないでしょうか。

「複数業種の許可」を目指すなら、資格が最短ルート

さらに戦略的な話をすれば、複数の業種で許可を取りたい場合、資格の価値はさらに高まります。

10年証明の大きな制約は、原則として「1つの業種しか証明できない」点にあります。建築一式、内装、大工・・・と、複数の看板を掲げたい場合、それぞれに対して実務経験を証明していくのは、現実的ではありません。

しかし、施工管理技士などの資格があれば、たった一つの合格証が、前回のコラムで紹介したような「多くの業種」を一度にカバーするパスポートになります。

行政書士・しばはらが提案する「最適ルート」

私は、無理に資格取得だけを勧めるわけではありません。大切なのは、社長がこれまで歩んできた「実務経験」をどう活かし、どうすれば最短で目的を達成できるかです。

「過去の経験を活かし、10年間の実務証明ですぐに許可を取得する」という判断は、早期取得において一つの正解です。しかし、将来の多角化を見据えるなら、今のうちに資格取得へ舵を切るのも賢い選択と言えます。

社長のこれまでの実績とこれからの事業計画をじっくり伺い、どのような資格が最適か、御社にとってのオーダーメイド戦略を提案いたします。

まとめ

許可は「取ってからがスタート」です。 証明書類の準備で疲れ果ててしまう前に、まずは一度、現状をお聞かせください。

「うちの書類で、あと何年足りない?」 「この資格を取れば、どの業種が一度に取れる?」

といったご相談は、いつでも歓迎です。手元にある資料を持って、お気軽にご相談ください!