くるみん認定とは
経営事項審査の評点Wの中に、「ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況」という項目があります。「女性活躍推進法に基づく認定(えるぼし)」、「次世代法に基づく認定(くるみん)」及び「若者雇用促進法に基づく認定(ユースエール)」について、 各認定を取得している場合に評点Wに最大5点加算されます。
今回は、このなかの「くるみん認定」について説明します。
くるみん認定
次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づき一般事業主行動計画を策定した企業のうち、次世代育成に対する取組状況は優良なものについて厚生労働大臣が認定する制度のことです。認定されると「くるみんマーク」を使用できるようになります。
プラチナくるみん認定
くるみん認定を既に受けている企業で、より高い水準の取組を行っている企業に対して「プラチナくるみん認定」も実施しています。
トライくるみん認定
くるみん認定の基準には満たないものの一定の基準を満たした企業は「トライくるみん認定」を受けることができます。
認定の基準
トライくるみん・くるみん
トライくるみん | くるみん |
1.雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと。 | |
2.行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること。 | |
3.策定した行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと。 | |
4.策定・変更した行動計画について、公表および労働者への周知を適切に行っていること。 | |
5.次の(1)または(2)のいずれかを満たしていること。 (1)計画期間における、男性労働者の育児休業等取得率が7%以上であること。 (2)計画期間における、男性労働者の育児休業等取得率および企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が、合わせて15%以上であり、かつ、育児休業等を取得した者が1人以上いること。 <労働者数が300人以下の一般事業主の特例> 計画期間内に男性の育児休業等取得者または企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した者がいない場合でも、①~④のいずれかに該当すれば基準を満たす。 ①計画期間内に、子の看護休暇を取得した男性労働者がいること(1歳に満たない子のために利用した場合を除く) ②計画期間内に、中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)の子を育てる労働者に対する所定労働時間の短縮措置を利用した男性労働者がいること。 ③計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、男性の育児休業等取得率が7%以上であること。 ④計画期間において、小学校就学前の子を養育する男性労働者がいない場合、中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)の子または小学校就学前の孫について、企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者がいること。 | 5.次の(1)または(2)のいずれかを満たしていること。 (1)計画期間における、男性労働者の育児休業等取得率が10%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表 していること。 (2)計画期間における、男性労働者の育児休業等取得率および企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が、合わせて20%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること、かつ、育児休業等を取得した者が1人以上いること。 <労働者数が300人以下の一般事業主の特例> 計画期間内に男性の育児休業等取得者または企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した者がいない場合でも、①~④のいずれかに該当すれば基準を満たす。 ①計画期間内に、子の看護休暇を取得した男性労働者がいること(1歳に満たない子のために利用した場合を除く)、かつ、当該男性労働者の数を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。 ②計画期間内に、中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)の子を育てる労働者に対する所定労働時間の短縮措置を利用した男性労働者がいること、かつ、当該男性労働者の数を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。 ③計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、男性の育児休業等取得率が10%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。 ④計画期間において、小学校就学前の子を養育する男性労働者がいない場合、中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)の子または小学校就学前の孫について、企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者がいること、かつ、当該男性労働者の数を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。 |
6.計画期間における、女性労働者の育児休業等取得率が、75%以上であること。 <労働者数が300人以下の一般事業主の特例> 計画期間内の女性の育児休業等取得率が75%未満だった場合でも、計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、女性の育児休業等取得率が75%以上であれば基準を満たす。 | 6.計画期間における、女性労働者の育児休業等取得率が、75%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していること。 <労働者数が300人以下の一般事業主の特例> 計画期間内の女性の育児休業等取得率が75%未満だった場合でも、計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、女性の育児休業等取得率が75%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表していれば基準を満たす。 |
7.3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者について、「育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置または始業時刻変更等の措置に準ずる制度」を講じていること。 | |
8.計画期間の終了日の属する事業年度において次の(1)と(2)のいずれも満たしていること。 (1)フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満であること。 (2)月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいないこと。 | |
9.次の①~③のいずれかの措置について、成果に関する具体的な目標を定めて実施していること。 ① 所定外労働の削減のための措置 ② 年次有給休暇の取得の促進のための措置 ③ 短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置 | |
10.法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと。 |
プラチナくるみん
1~4.くるみん、トライくるみん認定基準1~4と同一 |
5.次の(1)または(2)のいずれかを満たしていること。 (1)計画期間における、男性労働者の育児休業等取得率が30%以上であること。 (2)計画期間における、男性労働者の育児休業等取得率および企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率が、合わせて50%以上であり、 かつ、育児休業等を取得した者が1人以上いること。 <労働者数が300人以下の一般事業主の特例> 計画期間内に男性の育児休業等取得者または企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した者がいない場合でも、①~④のいずれか に該当すれば基準を満たす。 ① 計画期間内に、子の看護休暇を取得した男性労働者がいること。(1歳に満たない子のために利用した場合を除く) ② 計画期間内に、中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)の子を育てる労働者に対する所定労働時間の短縮措置を利用した男性労働者がいること。 ③ 計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、男性の育児休業等取得率が30%以上であること。 ④ 計画期間において、小学校就学前の子を養育する男性労働者がいない場合、中学校卒業前(15歳に達した後の最初の3月31日まで)の子または小学校就学前の孫について、企業独自の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者がいること。 |
6~8.くるみん、トライくるみん認定基準6~8と同一 |
9.次の①~③のすべての措置を実施しており、かつ、①または②のうち、少なくともいずれか一方について、定量的な目標を定めて実施し、その目標を達成したこと。 ① 所定外労働の削減のための措置 ② 年次有給休暇の取得の促進のための措置 ③ 短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置 |
10.次の(1)または(2)のいずれかを満たしていること。 (1)子を出産した女性労働者のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職(育児休業等を利用している者を含む)している者の割合が90%以上であること。 (2)子を出産した女性労働者および子を出産する予定であったが退職した女性労働者の合計数のうち、子の1歳誕生日まで継続して在職している者(子の1歳誕生日に育児休業等を利用している者を含む)の割合が70%以上であること。 <労働者数が300人以下の一般事業主の特例> 計画期間中に(1)が90%未満でかつ(2)が70%未満だった場合でも、計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、上記の(1)が90%以上または(2)が70%以上であれば、基準を満たす。 |
11.育児休業等をし、または育児を行う女性労働者が就業を継続し、活躍できるような能力の向上またはキャリア形成の支援のための取組にかかる計画を策定し、実施していること。 |
12.くるみん、トライくるみん認定基準10と同一 |
認定のメリット
①認定の表示
厚生労働大臣が定める認定マークを以下のものに付けることができます。
- 商品又は役務
- 商品、役務又は一般事業主の公告
- 商品又は役務の取引に用いる書類又は通信
- 一般事業主の営業所、事務所その他事業場
- インターネットを利用した方法により公衆の閲覧に供する情報
- 労働者の募集の用に供する広告又は文書
②公共調達における加点評価(経営事項審査含む)
公共調達における加点評価を受けることができます。
経営事項審査では、評点Wが以下のように加点されます。
次世代育成支援対策推進法に基づく認定 | |
プラチナくるみん | 5点 |
くるみん | 3点 |
トライくるみん | 3点 |
③助成金がある
「くるみん認定」「くるみんプラス認定」「プラチナくるみん認定」「プラチナくるみんプラス認定」を受けた中小企業に対し、上限50万円の助成金を支給する「くるみん助成金」があります。