個人事業から法人化する際の建設業許可引き継ぎと「認可申請」のポイント

西宮で建設業を営む皆さま、こんにちは。「西宮の建設業を、日本で一番熱い業界に。」しばはら行政書士事務所の柴原重太です。

個人事業主として実績を積み、「そろそろ法人化(法人成り)して、会社として大きな勝負をしたい」と考えるタイミングは、経営者にとって非常にエキサイティングな時期です。しかし、そこで避けて通れないのが「建設業許可をどう引き継ぐか」という問題です。

今回は、令和2年の法改正で大きく変わった「許可の承継」について、実務上のポイントを整理して解説します。


1. 法人成りで「許可が途切れる」時代は終わった

かつて、個人事業主が法人化する際は、一度個人の許可を「廃業」し、新会社で「新規申請」をやり直すのがルールでした。そのため、新会社の許可が下りるまでの数ヶ月間は「無許可状態(空白期間)」が発生していました。

しかし現在は、事前に「認可申請」を行うことで、許可番号を維持したまま、1日の空白もなく法人へ許可を引き継ぐことが可能です。


2. 「認可申請(承継)」を利用する主なメリット

この制度を利用することには、事務的な手間以上の大きなメリットがあります。

  • 許可の空白期間がゼロ 法人設立と同時に許可が有効になるため、500万円以上の大きな工事の受注を止める必要がありません。
  • 許可番号が引き継げる 長年親しんだ番号が変わらないため、看板、車両の名入れ、名刺などの変更コストや手間を最小限に抑えられます。
  • 営業年数の加点項目を維持 一定の条件を満たせば、個人時代の営業年数を引き継ぐことができます。承継せずに新規申請し直す場合と比べて、経営事項審査(経審)における営業年数の加点項目が維持されるため、公共工事の入札において大きなアドバンテージとなります。

3. 実務上の注意点:法人として「許可要件」を備えているか

単に個人の経歴をスライドさせるだけでなく、「法人としての許可要件(建設業法第7条)」を備えているか、また「欠格要件(同法第8条)」に該当しないかを改めて確認する必要があります。

  • 経営業務の管理能力(経管): 常勤役員のうち少なくとも1名が、建設業の経営経験(原則5年以上)等を有しているか。
  • 専任技術者の配置: 営業所ごとに、一定の資格や実務経験を持つ技術者を専任で配置できているか。
  • 誠実性: 法人、役員、政令で定める使用人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をする恐れがないか。
  • 財産的基礎(一般建設業): 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があるか。
  • 欠格要件の確認: 役員の中に、破産者や刑罰を受けた者など、法に定める欠格事由に該当する者がいないか。
  • 適切な社会保険への加入: 法人化に伴い、健康保険・厚生年金・雇用保険への適切な加入(適用事業所の届出)が必須です。

4. よくある落とし穴:個人時代の「届出漏れ」は厳禁

認可申請をスムーズに進めるためには、事前の準備がすべてです。

  • 各種変更届の未提出: 決算報告(決算変更届)はもちろん、住所、商号、技術者、役員などの変更届が漏れていると、承継の認可は受けられません。「今の個人の許可が最新の状態であること」が、承継のスタートラインです。
  • スケジュールの逆算: 会社を設立して「から」相談するのでは遅すぎます。法人設立「前」に認可申請を行い、認可を受けてから事業譲渡(法人化)を行うという手順が必須です。

5. しばはら行政書士事務所が提案する「法人成りロードマップ」

当事務所では、単なる書類作成代行にとどまらず、経営の連続性を守るためのサポートを徹底しています。

  • 設立登記前からのサポート: 定款の「目的」の記載内容など、建設業許可を見据えた会社設立を司法書士と連携してサポートします。
  • 要件診断: 法人化した後に「要件が足りなかった」という最悪の事態を防ぐため、事前にすべての要件を精査します。

まとめ

法人化は、建設業者としてのステージを上げる絶好の機会です。しかし、手続きの順番を一つ間違えるだけで、これまで積み上げた許可を失うリスクもあります。

「自分の会社の場合、どのタイミングで動くのがベストか?」 「経審の点数を維持して法人化するにはどうすればいいか?」

確実な承継のために、まずは設立前にご相談ください。法人化を検討中の西宮の社長へ。今の許可を無駄にせず、スムーズに法人へ引き継ぐためのシミュレーションを無料で実施します。