「一式工事」の許可があれば何でもできる?建設業者が陥りやすい業種判断の勘違いと正しい考え方
西宮で建設業を営む皆さま、こんにちは。「西宮の建設業を、日本で一番熱い業界に。」しばはら行政書士事務所の柴原重太です。
「うちは『建築一式』の許可を持っているから、どんなリフォーム工事でも500万円を超えて受けて大丈夫だよね?」 「『土木一式』があるから、駐車場造成の依頼も問題ないはずだ」
西宮の建設業を営む社長から、このようなご相談をいただくことがよくあります。しかし、ここには建設業法上の非常に危険な勘違いが潜んでいます。
今回は、知らず知らずのうちに「無許可営業」になってしまわないよう、一式工事の本当の意味と、正しい業種判断の考え方を解説します。
目次
1. 「一式工事」の正体は、現場の「マネジメント」である
まず結論から申し上げます。一式工事の許可は、決して「どんな専門工事でも請け負える万能の許可」ではありません。
建設業法における「一式工事(土木一式・建築一式)」とは、個別の作業を指すのではなく、「総合的な企画、指導、調整」を行うための許可です。
- 建築一式工事: 原則として「確認申請」が必要な新築や大規模な増改築など、多くの専門工事を組み合わせて家を一軒建てるような総合管理を指します。
- 土木一式工事: ダム、トンネル、橋梁など、大規模で複雑な土木工作物を建設する際の総合的なマネジメントを指します。
2. 多くの社長が陥る「リフォーム工事」の落とし穴
特に間違いやすいのが、建物の改修やリフォーム工事です。
【建築一式と内装仕上工事の違い】
例えば、500万円を超えるリフォーム工事を請け負う場合、どちらの許可が必要でしょうか?
- 建築一式工事が必要なケース: 間取りの大幅な変更や、構造に関わる増改築など、総合的な管理が必要な場合。
- 内装仕上工事が必要なケース: 壁紙の張り替えや床の修繕、間仕切り設置など、内装しか触らないリフォーム工事の場合。
たとえ金額が大きくても、工事の内容が「内装の仕上げ」に特化しているのであれば、それは一式工事ではなく「内装仕上工事」の許可が必要です。建築一式の許可しか持っていない状態で、500万円以上の内装リフォームを請け負うと、実は「無許可営業」になってしまう可能性があるのです。
3. 「土木一式」と「とび・土工・コンクリート工事」の混同
土木の世界でも同様の誤解があります。
- 土木一式工事が必要なケース: ダム、トンネル、高速道路の建設など。
- とび・土工・コンクリート工事が必要なケース: 外構工事、軽微な造成、単一的な切土・盛土など。
西宮でも「造成や外構は土木一式だ」と思われている社長が多いですが、比較的小規模で単一的な造成工事は、正確には「とび・土工・コンクリート工事」に分類されます。
土木一式の許可しか持っていない状態で、500万円以上の小規模な造成工事等を請け負うと、実は「無許可営業」になってしまう可能性があるのです。
4. なぜ「なんとなく」の業種判断が危険なのか
「一式があれば安心」という思い込みが引き起こすリスクは、3つあります。
- 無許可営業による罰則: 「知らなかった」では済まされず、許可の取り消しや欠格要件に該当する恐れがあります。
- 実績としてカウントされない: 間違った業種で届け出をしても、将来「業種追加」をしたい時の実務経験として認められません。
- 取引先からの不信感: 決算変更届は誰でも閲覧できます。プロが見れば、「この会社、許可の使い方が間違っているな」と一目で見抜かれます。
5. 正しい業種判断が、会社の将来を強くする
しばはら行政書士事務所では、単に書類を作成するだけでなく、実際の工事内容を社長にヒアリングして実態を把握し、法規と照らし合わせます。
「とりあえず一式でいいや」ではなく、実態に即した専門業種の許可(内装仕上工事や、とび・土工・コンクリート工事など)を正しく揃えること。これが、法令を守りながら事業を拡大していくための最短ルートです。
まとめ
一式工事の許可は「万能」ではありません。特に「内装しか触らないリフォーム」や「小規模な造成」を請け負う際は、今一度、自社の許可が正しいか確認してみてください。
「この工事、うちの許可で受けて大丈夫かな?」と少しでも不安になった西宮の社長。
しばはら行政書士事務所では阪神南県民局(西宮土木事務所)への届出を見据え、プロの視点で正しく診断いたします。自社の現状を正しく知り、胸を張って現場に向かえる体制を共に作っていきましょう。


