元請から「建設キャリアアップシステム(CCUS)」への登録を急かされたら読む記事
日々、多くの建設業者様からご相談をいただく中で、最近特に増えているのがCCUSに関する悩みです。元請けさんから「登録しないと現場に入れない」と言われ、慌てて電話をくださる方も少なくありません。事務手続きの負担は確かに大きいですが、実務の現場を横で支える立場として、あえてお伝えしたいことがあります。
目次
1. なぜ元請会社は登録を急かすのか?
元請会社が登録を求める背景には、主に2つの理由があります。
現場の「完全実施」が目標とされている
国土交通省は、公共工事だけでなく民間工事を含めたすべての現場でCCUSを活用する方針を打ち出しています。元請会社にとっては、現場に入るすべての業者が登録していることが、優良な現場管理の証明になるのです。
経営事項審査(経審)や入札での加点
元請会社自身がCCUSを導入・活用していることで、経審の点数が加算されたり、工事の入札で有利に働いたりする仕組みが強化されています。そのため、協力会社への要請が強まっているという側面があります。
2. 下請・技能者が登録する「実利」とは?
「元請のためだけではないか」と思われがちですが、施工側にも明確なメリットがあります。一部を紹介します。
技能者の経験が「客観的」に証明される
これまで職人の腕は「見た目」や「付き合いの長さ」でしか判断できませんでした。CCUSにより、現場ごとの就業履歴が蓄積され、ゴールドやシルバーといったカードの色で熟練度が可視化されます。これは、単なる自己申告ではない、国が認める「キャリアの証明書」になります。
事務作業の効率化と「建退共」の連携
現場ごとの入退場がデータ化されるため、これまで手書きや手作業で行っていた就業管理が簡略化されます。さらに、建退共(建設業退職金共済)との連携により、証紙を貼る手間なく退職金ポイントが貯まる仕組みも整いつつあります。
3. 放置することのリスク
「まだ登録しなくても仕事はもらえる」と放置していると、将来的に以下のようなリスクが生じる可能性があります。
「CCUS必須現場」から外される可能性がある
大規模な現場や公共性の高い現場では、すでに「CCUS登録業者のみ入場可」というルールが広まりつつあります。
徐々に、採用が不利になる可能性がある
これからの若い職人は、自分のキャリアがデータとして蓄積される会社を選ぶようになっていきます。「履歴が残らない会社」は、採用市場での競争力を失ってしまうかもしれません。
4. まとめ:事務負担は「将来への投資」
確かに、最初の登録手続きには書類の準備や手間がかかります。しかし、一度登録を済ませてしまえば、それは貴社の技術力と信頼を証明する強力な武器になります。
元請から要請があった今は、ある意味で「登録のベストタイミング」です。 手続きの進め方や必要書類で不明な点があれば、放置せず、行政書士などの専門家のサポートも活用しながら、早めの対応を検討してみてはいかがでしょうか。
また、私が多くの業者様をサポートしていて一番嬉しいのは、手続きが完了した後の「これで安心して現場に行けるよ、ありがとう」という言葉です。皆様が誇りを持って現場で腕を振るえるよう、後ろ盾となる事務手続きは私が全力で引き受けます。二人三脚で、新しい時代の建設業を歩んでいきましょう。


