附帯工事とは
建設工事には「附帯工事」という考え方があります。言葉は聞くことが多いのですが、考え方が結構分かりづらいこの工事について、今回は紹介していきます。
目次
建設業法第四条では
建設業法第四条には、以下のような条文があります。
建設業法第四条
建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。
建設業許可事務ガイドラインでは
また、建設業許可事務ガイドラインには以下のような説明があります。
建設業許可事務ガイドラインP11 附帯工事について
建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事のほか、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事(以下「附帯工事」という。)をも請け負うことができるが、この附帯工事とは、主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる建設工事又は主たる建設工事を施工するために生じた他の従たる建設工事であって、それ自体が独立の使用目的に供されるものではないものをいう。 附帯工事の具体的な判断に当たっては、建設工事の注文者の利便、建設工事の請負契約の慣行等を基準とし、当該建設工事の準備、実施、仕上げ等に当たり一連又は一体の工事として施工することが必要又は相当と認められるか否かを総合的に検討する。
つまり、「附帯工事」とは
建設業法第四条や建設業許可事務ガイドラインの記述などから考えると、「附帯工事」とは以下のような工事だと言うことができます。
- 主たる建設工事の目的を達成するための工事
- 主たる工事に附随して行われる、実質的に一連又は一体の工事
- 原則として主たる建設工事の請負金額より低い
3.については建設業許可事務ガイドラインには記載がありません。しかし、通常は附帯工事が主たる工事の請負金額を上回ることはありません。
附帯工事に関する注意点
「軽微な工事」は附帯工事ではない。
工事1件の請負金額が500万円(建築一式工事の場合は1,500万円)未満の工事は、軽微な工事として扱われます。この場合は、附帯工事としては扱いません。
一式工事は附帯工事にはなりえない
一式工事とは、総合的な企画、指導、調整のもとに行われる工事です。土木一式工事、建築一式工事は他の業種の附帯工事とはなりえません。
500万円以上の附帯工事を行うためには技術者を配置することが必要
500万円以上の附帯工事を施工する場合は、その専門工事について技術者の要件を満たす者を配置することが必要です。また、500万円以上の附帯工事を外注する場合はその専門工事について建設業許可を受けている建設業者に依頼することが必要です。
参考:この考え方は、一式工事と専門工事の関係と同じ!
土木一式工事や建築一式工事の許可を持つ建設業者が請負った工事に専門工事が含まれる場合は、500万円以上の附帯工事を施工する場合と同じく、その施工に関して以下2通りの選択をしなければなりません。
- 専門工事について技術者の要件を満たすものを配置し自社で施工する
- 専門工事について建設業許可を受けている建設業者に外注する