【相談事例4】消防設備工事業の許可と消防設備士の資格について
建設業許可には、2種類の一式工事と27種類の専門工事が存在します。
その中でも、消防施設工事業の許可は少々特殊です。
相談の内容
消防施設に関する工事を行う際、許可の取得以外にも資格によって違いがあると聞いたのですが。
これらについて教えてください。
回答
消防設備工事業に関する資格には以下の2種類があります。これらの資格を持った人が営業所に常駐していれば、建設業許可上の専任技術者要件を満たしたことになります。
- 甲種消防設備士
- 乙種消防設備士
甲種消防設備士は指定された消防用設備等の工事・整備及び点検を行うことができるのに対して、乙種消防設備士は指定された消防用設備等の整備及び点検を行うことができます。各類によって取り扱う設備が限定されているため、注意が必要です。
資格区分 | 消防用設備等の種類 | 免状の種類 | |
甲種 | 乙種 | ||
特類 | 特殊消防用設備等 | 工事 ・ 整備 | - |
第1類 | 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備 | 整備 | |
第2類 | 泡消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、特定駐車場用泡消火設備 | ||
第3類 | 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備 | ||
第4類 | 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備、特定小規模施設用自動火災報知設備、複合型居住施設用自動火災報知設備 | ||
第5類 | 金属製避難はしご、救助袋、緩降機 | ||
第6類 | 消火器 | - | |
第7類 | 漏電火災警報器 | - |
「乙種消防設備士」の資格があれば消防設備工事業の許可を取得することができます。しかし、「甲種消防設備士」の資格がなければ消防設備の工事を行うことができません。
(「甲種消防設備士)の資格があれば許可の取得、工事共に可能です)